【徹底解説】RPAとは?|単純作業の自動化に最適な ソフトウェアロボット
今回のテーマは、クラウドやAI、IoTなどと並んで注目を集めている「RPA」についてです。
政府が推し進める『働き方改革』への認知度が高まり、年々大きな注目を集めている「RPA」ですが、実際の商談の場面でも
- そもそもRPAとは何?
と言ったベーシックなご質問を頂くことが多くあります。
そこで今回の徹底解説シリーズでは、[RPA入門編]ともいえる概要・メリットなどについて解説していきます。
残業削減や生産性向上など、働き方改革の本質に興味がある方には 参考にして頂ける内容となっています。
似たような悩みをお持ちの方、RPAをもう一度基礎から押さえておきたい、という方は参考にしてください。
- そもそもRPAとは何か?がわかる。
- 導入により得られるメリットを知る。
- RPAで何ができるか?のヒントを得る。
RPA:ルーティン業務を自動化するソフト
RPAは Robotics Process Automation という言葉の頭文字をとった略語で、日本語では「ロボットによる(業務)プロセスの自動化」という言葉で訳されています。
その言葉通り「これまで人間が担っていた仕事(プロセス)をロボットが自動処理(オートメーション)するための仕組み」とイメージして頂くと良いかと思います。
検索エンジンでヒットする サービス紹介記事の中には、RPAをデジタルレイバー(デジタル労働者)と呼称する記事も散見されます。
あのロボットはRPAではない!?
とはいえ、その実体は”ドラ◯もん”や”ターミネ◯ター”、”鉄腕ア◯ム”のようにロボット(ハードウェアロボット)としての実体を持つものではありません。
あくまでも「パソコン上で人間が行う操作」をソフトウェアにより自動化する技術(ソフトウェアロボット)です。
導入によるメリット
次に、RPAを導入することで私たちの働き方がどのように変わるのか?いわゆるRPAのメリットについて考えていきます。
RPAは私たち”人間”と比べて、以下三つの強みを持っていると言えます。
- 仕事を休まない・辞めない
- 見落としやミスがない
- 圧倒的に速い処理速度
仕事を休まない・やめない
お伝えしたとおり、RPAはパソコン上で動作するソフトウェアです。そのため、機械の電源さえ入っていれば24時間365日稼働し続けることができます。
もちろん、30分に一回ほどのハイペースで喫煙所に休憩しに行くようなこともありません。
見落としやミスがない
普通の人間であれば、どんなに優秀な方でも1000個の処理があると2〜3程度のミスが発生するのは仕方がないことです。
しかしロボット(=RPA)は、一度覚えた仕事でミスをすることはありません。
圧倒的に早い処理速度
また、人間の数倍以上のスピードで処理を行うことができます。
これもロボットならではのメリットと考えて良いのではないでしょうか。
RPA導入のベストプラクティス
簡単にではありますが、RPAの概要・メリットについて解説しまた。
ここからは実際に導入に成功した事例、筆者自身がご提案する際に伺った経験談などをご紹介したいと思います。
【前提】RPAは”魔法の杖”ではない
RPAの検討を始める大前提として、RPAは人間の仕事を「全部まるっとお見通し!」となるような魔法の杖ではないことに注意が必要です。
これはつまり、人間が “任せられる仕事” と “そうでない仕事” を見極めた上で、しっかりとした “事前検討” を行う必要がある、ということを意味しています。
身近な例をあげますと
- ハンコの押印
- 紙の領収書・レシートの仕分け
- 課長(いつも寝てるだけ)のお茶汲み など・・・
といった仕事は、RPAで自動化することができません。
なぜなら、「コンピュータ上で人間が行っている操作」を代行してくれるのがRPAだからです。
デジタル労働者とも呼ばれており、「大変な仕事?全部ロボットび任せたったらええんや!」と考えたくなるお気持ちは痛いほどよくわかります。
実際に筆者が同席した商談の場でも、似たような相談を受けることが多々あるからです。
とはいえRPAにも「できること」「できないこと」があります。あくまでも “コンピュータ上で動作するソフトウェアロボット” である点には注意が必要です。
RPAは よく「入社して間もない若手社員」に例えられることがあります。
もしどんなに優秀な若手社員であっても、重要な判断を伴う仕事を急に任せたりはしませんよね。おそらく先輩社員やマネージャーが“任せられる仕事”を見極めてアサインするのではないでしょうか。
RPAにも同じ考え方が当てはまり「先輩社員」にあたるヒトが仕事を見極める必要があるのです。
RPAが得意な仕事
では、具体的にRPAはどのような仕事を得意としているのでしょうか?
最近では展示会でRPAが出品されることも増えていますが、
- 経費精算のチェック業務
- 顧客管理システムへのデータ入力
- 特定のデータ収集
- システム間のデータ受け渡しに必要なCSVデータのクレンジング
といった業務で大きな結果を出した事例をよく見かけます。
これは少し見方を変えると、「RPA導入を失敗する確率が低い業務たち」と考えることもできます。
それを裏付けるように、成功したとされる事例の共通点として「事務処理シゴトにおけるルーティン業務(定型的な業務)」であること、そして「パソコンやサーバ上で人間が処理していた仕事」というものが挙げられます。
これまでお伝えしてきたポイントをハズしていない、という点をご理解いただけるかと思います。
ハタラキカタの意識改革にもつながる?
ここからは私の経験談をご紹介したいと思いますが、上記で挙げた以外では
- 開発では投資対効果が見込めない業務
- システム化が追いついていない業務
といった業務について、自動化の検討を始めるお客様が多い印象もあります。
これはRPAのもうひとつの特徴でもある「システム開発と比較して納期・コストが低い」というメリットをうまく活用した考え方です。
また、今回の話とは 若干毛色が異なりますが、とある企業で役員の方へご提案した際は“システム開発以外の選択肢=現場主導のカイゼン活動”として現場への展開を決めた、との話を伺うこともありました。
これはいわゆる「生産性向上」が目的というよりも「現場のカイゼン意識」を引き出す、という点が投資を決めたポイントだったようです。
まとめ
今回はRPAとは何か?またRPAが手伝うことになる仕事の中身について、事例と体験談を交えつつお伝えしてきました。
おそらく今後さらに普及が進むにつれて、定型的で付加価値の低い仕事(いわゆるルーティン業務)はロボットに代替される時代が来ると考えられます。
実際にさまざまな企業へRPAの提案をお持ちする中で「人間の仕事が奪われてしまうのではないか?」といったご質問を頂くことも少なくありません。
では、これからRPAがさらに普及し、ヒトがルーティン業務から解放される時代が来るにあたり、”私たち=ヒト”はどのように考えて行動するべきなのでしょうか?
実際この種の議論が尽きることはなく、もしかすると どこにも正解はないのかもしれません。そこで、ここでは日本を代表する製造業である”オムロン”の創業者:立石氏の言葉をご紹介したいと思います。
これはRPAという考え自体なかった頃の発言ですが、筆者には まるで現代に生きるわたしたちの疑問に答えているかのような、示唆に富んだすばらしい言葉だと感じました。
『機械にできることは機械に任せ、人間はより創造的な分野で活動を楽しむべきである』
ーオムロン創業者 立石一真
Seeds4bizでは「ヒトにしか出来ない創造的な分野」の一つとして、これまでに御社が企業活動で培ってきた”強み”を活かした「新事業の創出」、「新たな事業ドメインの立上げ」を提言しています。
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