セールスイネーブルメントとは?人材難の中小企業こそ取組むべき”売れる仕組みづくり”

営業部隊を強化したい!という想いはあるものの、なかなか成果に繋がらない…とお悩みの方へ

 

事業拡大にまつわるこんな悩みはありませんか?

  • 営業部隊を立ち上げて、会社として”売れる仕組み”を作りたい
  • なかなか、優秀なセールス人材を採用できない

そのお悩み、今回のテーマでもある「セールスイネーブルメント」に取組むことで解消できるかも知れません。

 

記事の前半では、セールスイネーブルメントとは何か?また、中小企業こそ取組むべき理由について、そして記事の後半では具体的な取り組みを5つほどご紹介しています。

 

事業拡大にまつわる営業チームの強化にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

  • 小さな会社が営業力を強化するポイントがわかる



セールスイネーブルメントとは”売れる仕組みづくり”

この記事で深掘りする「セールスイネーブルメント」とは、ひらたく言うと”どんな人材でも売れる仕組みづくり” です。

セールスイネーブルメントを実現することで、営業担当者一人ひとりが最大限の力を発揮し、継続的に成果を上げられるよう、組織全体で「売れる仕組み」を構築できる、という効果が期待できます。

 

具体的な仕組み化の営みとしては、効果的なツールやコンテンツの提供、データに基づいた戦略立案、継続的なトレーニングなどを通して、営業担当者を包括的に支援していきます。

ここまでお伝えすると取り組むことも多く、大変そうに聞こえるかも知れませんが、人材企業の中小企業こそセールスイネーブルメントに取り組むべきだと考えています。

 

というのも….

 

人材難の中小企業こそ”仕組みづくり” が重要な理由

上のスライドは、営業部隊が “売れる”ようになる仕組みづくりを進める上で影響する要素をカンタンに分類したものです。

人材不足・採用難の会社にありがちなのが「営業個人の能力」に大きすぎる期待をしてしまうことでしょう。

これは営業&マーケティング畑出身の社長にありがちで、社長自身が優秀なので全く同じパフォーマンスを個々の営業マンにも期待してしまうケースです。

 

受注!⇒営業の成果。失注!⇒営業の責任。炎上案件!⇒営業の責任…みたいな会社ですね。

 

このような体制は組織ではなく個々の営業マンに依存してしまうため、自然と「営業マン=メンタルと体力オバケのスーパーマン」であることが強く求められます。

こうなると優秀な人材は圧倒的に成長していくのですが、我々ような人材難に悩む中小企業であればあるほど、そもそも優秀な人材の採用が難しいのが現実です。

また、当然ながら個々人に求める仕事のレベルも高いため、継続して働いてもらうことの難しさに直面してしまいます。

 

この記事で問題提起している “仕組みづくり”のねらいは、営業経験の少ない営業マンでも、安定して一定以上の成果を出せるようにすること、にあります。

ここで挙げた課題は数も多く大変に感じられるかも知れませんが、取組みを進めていくことによる改善インパクトは大きく、かつ再現性も高いものばかりですので、ぜひこの機会に会社/チームとして”どんな人材でも売れる仕組みづくり”=セールスイネーブルメント強化に取り組んでみてください。

 

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会社/チームとして取組むセールスイネーブルメント例

さて、会社/チームとして取り組むべきセールスイネーブルメントの中身についてですが、ここでは大きく5つに分けて取組みと期待できる成果を合わせてご紹介していきたいと思います。

軸となる5つの取組みとは、

  • 営業プロセス/パイプラインの定義
  • コンテンツ作成
  • ノウハウの形式知化
  • 教育/学習スキーム
  • 最適なITツールの導入

の5つです。さっそくみていきましょう。

 

営業プロセス・パイプライン整備で、自律したチームの礎をつくる

The Modelの考え方を当編集部にて整理したもの

まず、最初に取り組むべきは「営業プロセスの標準化・販売パイプラインの定義」です。

「営業プロセス」とは、顧客を獲得するまでの一連の流れを明らかにし標準化すること、「販売パイプライン」は、現在進行中の案件を可視化し、それぞれの進捗状況を管理することです。

もし初めて取組まれる場合は、最大手の顧客管理システム企業であるsalesforce.com社が採用していることで有名な “The MODEL” の考え方を参考にされるのがオススメです。(画像クリックで拡大)

 

これらを整備することで、「属人化の排除」「進捗管理の効率化」「問題点の早期発見」や「データに基づいた改善活動」を実現でき、個々の営業担当者のスキル向上だけでなく、チーム全体の成長と自律を促すための重要な基盤を整備することにも繋がります。

 

※The Modelについて深掘り解説した記事はこちら

【関連記事】カスタマーファーストを体現する方法とは|Vol.1営業プロセスの全体像

 

営業活動に必要なコンテンツを用意して、知識の習得を支援

次に、営業活動を推し進める(=パイプラインを進める)上で必要となるコンテンツの作成です。特に業界知識や商品知識が不足している新メンバーにとっては、質の高いコンテンツが強力な武器となります。

 

ここでいう「営業活動に必要なコンテンツ」として挙げられるものには、会社概要を含む標準資料以外に

  • 白書(ホワイトペーパー)
  • 業界トレンド
  • 価格表、比較表
  • 導入事例

といったものがあります。

 

【関連記事】営業マンが仕事で結果を出すための考え方|乗り越えるべき4つのハードル

 

業界トレンドなどをまとめた白書(ホワイトペーパー)は、顧客との会話の糸口を見つけたり、専門性をアピールする際に役立ちます。営業フェーズにおける初期段階、見込み企業への課題提起や課題の合意段階で役立ちます。

また、導入事例集は、顧客に製品やサービスの価値を具体的に理解させ、購入を促すための強力なツールとなります。「自社で導入するとどのような未来が待っているのか?」を想起させることに繋げられますね。

そして価格表や競合との比較表は、顧客からの質問に迅速かつ正確に答え、提案をスムーズに進めるために必要です。これらは提案プロジェクトも後半に入り、最終決定の段階で大きな力を発揮することでしょう。

 

こう言ったコンテンツを事前に準備しておくことで、経験のない営業メンバーでも自信を持って顧客にアプローチし、スムーズに商談を進めることができるようになり、また資料作成のテンプレート的に活用すれば、営業担当者はプレゼンテーションや提案資料作成の時間を短縮でき、より多くの顧客にアプローチする時間を確保できます。

 

ノウハウの形式知化・言語化で、商談の勝ちパターンを知る

先述した「ガイドラインの整備」や「標準資料の作成」で、想定されるお客様の検討ステップ(カスタマージャーニーマップ)を定義したら、お客様との議論から得られたノウハウ・知見を形式知化する営みにも取り組んでいきましょう。

 

具体的には、営業活動の進捗状況ごとに必要な情報を整理し、ドキュメント化(資料化)していきます。必要に応じてグループウェア顧客や顧客管理システムを導入すると営業マン個人ではなく営業組織としての知識蓄積が加速します。

 

まだ立ち上がって間もない組織はゼロから作成することになるためある程度のパワーが必要になりますが、すでにナレッジが溜まっているチームなら、GeminiやChatGPTをはじめとするテキスト生成AIの力を借りることで質の高いコンテンツを作成できます。

 

※生成AIのRAG(データ学習)機能を活用し、社内のナレッジベースを構築する方法です。詳しくは⇩

【関連記事】“書類の山”に苦しむ会社こそ、膨大な”デジタル資産”を築くチャンス?

 

教育/学習環境を構築し、継続的に能力を底上げする

さらに個々の営業メンバーの能力底上げの仕組みも重要になります。営業担当者が継続的に成長できるよう、効果的な教育/学習環境を構築しましょう。

いわゆるOJT的に、商談の後だけ口頭で教育するような指導にも価値があります、必要な時に必要な情報にアクセスできる環境を整え、継続的な学習を促す仕組みは営業マンの中長期的な成長を期待できます。

 

いわゆる営業としての基本的な立ち振る舞い、 顧客とのコミュニケーション方法、スーツの着こなしなどから始まるビジネスマナー、プレゼンテーションスキルなどを言語化したり、製品・サービス: 製品やサービスの特長、機能、価格、競合との差別化ポイントを組織の共通認識のために教材化するのも良いアイディアと言えるかも知れません。

 

外出が多く多忙な営業メンバーでも、場所や時間に縛られずに学習できる環境を提供するためには、座学研修のみならずeラーニングシステムやナレッジ共有プラットフォームなどを活用するのも選択肢のひとつになります。

 

ITツールを導入して効果を最大化する

これまで挙げたセールスイネーブルメントの取組みと成果は、ITツールの導入によって大きく底上げすることができます。

 

マーケティングを自動化するMAツール(マーケティング・オートメーション)は、見込み顧客の獲得、育成、スコアリングなどを自動化し、最適なタイミングで作成したコンテンツを送付するなど、効率的なマーケティング活動を支援します。

興味を持ってくれた見込みのお客さまには、営業メンバーが対応します。顧客情報の一元管理、営業プロセス全体の可視化、進捗管理などはCRM(顧客管理システム)を活用することで効率化を図れますし、先述した営業活動に必要なコンテンツをシステム上で共有し、営業メンバーに”武器”を供給できるわけです。

 

…と、ここまでお伝えすると「ITツール、ぜひ導入したい!」と言う方もいらっしゃるかも知れませんが、”ITツールはあくまで手段であって目的ではない”という点を押さえて検討を始めて頂くことを強く、強くオススメします。

 

実際に私も有名なCRM(顧客管理システム)のコンサル・プリセールスに携わっていた経験があるのですが、システム導入に失敗した企業の共通点は大金をかけてシステム導入したものの現場メンバーが使ってくれない、という根本的なところに問題が起きるからです。

どんなに素晴らしい高級車を購入しても、乗らなければ宝の持ち腐れになってしまいます。経営視点ではデータ集計・営業メンバーが使いたくなるかどうか?にあるケースも少なくありません。

 

※そんな弊社はGoogle Workspaceとhubspotを組合せる形での営業DXを提唱しています。

【関連記事】営業&マーケティングのDXは、Google Workspaceとhubspotで実現しよう

 



自社で完結が難しい場合は、社外の専門家を活用しよう

「社内のリソースだけで対応するのは難しそう…」と感じられた方は、弊社のようなパートナー企業を活用いただくのがオススメです。

営業DXのコンサルティングサービスを提供している弊社;nonet 株式会社では、今回ご紹介したセールスイネーブルメントのモデル設計を始め、マーケティング自動化、顧客管理システムなどのITツール導入支援までをトータルでご支援しています。

 

また毎月3社限定で「無料オンライン壁打ち会」を開催しており、壁打ちベースでご相談いただける枠を設けております。コンサルティングを発注されるご予定のない方も、この機会をご活用ください。

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