商品の特徴から”ベネフィット”を導き出し、見込み客に伝わる言葉を紡ぐ方法
日々、マーケティングに頭を悩ませている 若手経営者の方へ
- 紹介案件の成約率は高いけど、新規獲得は全くうまくいかない
- WEB広告・チラシで集客しているけど、ぜんぜん問合せが増えない
- 初回訪問/アポから定期的なアプローチに繋げられない
こんな悩みはありませんか?
今回ご紹介する シンプルな法則を使って “ベネフィット”を理解できれば、どんな営業シーンでもお客さまを惹きつけるメッセージを紡げるようになります。
記事の前半では、”ベネフィットとは何か?”の基本的な部分をおさらいしつつ、後半では お客さまを惹きつけるメッセージを紡ぐ手順を 4つのステップで解説しています。
似たような悩みをお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。
- ベネフィットとメリットの違いを明確に理解する
- シンプルな法則をもとに、伝わるメッセージの紡ぎ方を知る
そもそも”ベネフィット”とは?メリットとの違い。
マーケティングや営業を考える上で「メリット・ベネフィット」について解像度を上げてイメージできているかどうか?はとても大きなカギを握っています。
とはいうものの、私のクライアントさんの中にもメリットとベネフィットを全く同じ意味で捉えていたり、商品に込めたこだわり=ベネフィット、だと理解されていたり…個々人で認識がズレているケースは少なくありません。
具体的にこの記事でいう”ベネフィット”を定義しておくと・・・
「メリット・機能」をもつ商品・サービスを使うことで、お客さまがどんな素晴らしい体験ができるか(=恩恵を受けられるか)、を言語化したもの。です。
“ベネフィット”を言語化する上で重要なのは、“商品・売り手中心”の考え方か、”顧客中心”の考え方か。です。
そのメッセージは”商品・売り手中心”? それとも”顧客中心”?
売れない商品・サービスの多くは「商品そのものが悪い」というよりも「売り方・伝え方が良くない」ケースがほとんどだったりします。
もう少しイメージを膨らませて頂くために、ここでひとつ例を挙げてみましょう。
もしあなたが「本格紳士靴Aを提供する販売員」で、「ご両親と一緒に来店された 新社会人風のお客さま」にメッセージを伝えるとしたら・・・どちらのメッセージを伝えるでしょうか?
- XX産の革を使ったYY製法の靴です
- 世代を超えた”一生モノ”に育つ靴です
どちらも同じことを別の言い方で伝えている、ということがイメージ頂けるでしょうか。
具体的に何が違うのか?というと・・・・
- XX産の革を使ったYY製法の靴です ←商品中心の考え方(メリット・特徴)
- 世代を超えた”一生モノ”に育つ靴です ←顧客中心の考え方(ベネフィット)
と言う形で、“商品・売り手中心”の考え方か、”顧客中心”の考え方かの違いによって、伝えるメッセージが変わっています。
法則に当てはめて「ベネフィット」を紡ぐ4ステップ
メリットとベネフィットの違いをイメージいただけたら、次は「どうやってベネフィットを言語化するか?」ですね。
この記事では「FABフォーミュラ」と呼ばれる法則に当てはめる方法をご紹介します。FABとは、
- Feature:機能・特徴
- Advantage:メリット
- Benefit:得られる・体験できる恩恵
のそれぞれ頭文字を指しています。そして、ここで忘れてはいけないのが
- Target:どんな人・どんな状況の人に?
という視点です。これは覚えて頂かなくてもOKなのですが、私は先述のFABと絡めて「FAT-Bob:太ったボブ」理論と名付けています笑
ステップ1「機能・特徴:Feature」をリスト化する
さて、具体的に手順に沿ってベネフィットをメッセージにする方法を考えていきましょう。
まず最初に、箇条書きで結構ですので自社 商品・サービスの「機能や特徴」を思いつく限りリスト化することをオススメします。
リストアップする数にこだわるのはあまり本質的ではないですが、商品の「スペック」と言い換えてみるなどして、少なくとも30個くらいは挙げていただくと良いかと思います。
※そんなに挙げられないよ…という方は、まずは商品サービスを深く知る努力から始めてください!
たとえば、先ほどの本格紳士靴Aを提供する事業について5つほど挙げるなら・・・
- ヨーロッパ産の高級カーフ使用
- グッドイヤーウェルト製法
- 日本人の足に最適化された木型
- 値段は3万円
- ストレートチップ
といったところでしょうか。
ステップ2「メリット・利点:Advantage」を見つける
次に、箇条書きでリスト化した機能・特徴をベースに「この機能で何ができるか?」という視点を入れることで「メリット・利点」を見つけていくステップに移ります。
- ヨーロッパ産の高級カーフ使用 ⇒使うほど柔らかくなる、ツヤが出てくる
- グッドイヤーウェルト製法 ⇒丈夫&修理しやすい
- 日本人の足に最適化された木型 ⇒どんな足にもフィットしやすい
- 値段は3万円 ⇒本格紳士靴としては安く買える
- ストレートチップ ⇒定番デザインでどんな場面でも使える
など。
ひとつの機能に対して複数のメリットがあったり、複数の機能が組み合わさって始めてメリットが生まれる!というパターンもあるかと思いますが、それらも漏れなくリストアップしておくのもオススメです。
この営みが価値になるのは、お客様が商品・サービスを比較している状況のケースです。あなたが事前に「メリット・利点」の理解を深めておくことで、「A社と比べてどうなの?」というお客様の疑問に嘘偽りなく、かつ説得力十分に応えられる様になります。
ステップ3「どんな状況の人に?:Target」を明らかにする
ここまでで、商品が持っている「機能・特徴」をもとにセールストークに役立つ「メリット・利点」を可視化=見える化することができました。
次は「どんな状況の人に?」と言う視点を挙げていきましょう。
よくある間違いなのですが、「20代〜40代・男性」のように いわゆる”マーケティング属性”だけをもとにメッセージを組み立ててしまうケースがあります。
そうではなく、今回のワークのように見込み客へのメッセージを組み立て場合は「あなたの商品・サービスはどんな背景・状況の人のためにありますか?」を考えていただきたいのです。
具体的には・・・
- 大きな会社に就職が決まった男子大学生
- 長く履ける靴を探している
- お父さま(ご家族)は靴を大事に履いている
といったところでしょうか。マーケティング用語で「ペルソナ」とも表されますが、誰かひとりの状況をどこまでクリアにイメージできるか?がポイントになってきます。
このプロセスを磨いていくことで、「これ自分に言ってるよね!?」と感じさせる、魅力的なメッセージを紡げるようになる というわけですね。
ステップ4「得られる・体験できる恩恵:Benefit」を言語化
そして最後に「得られる恩恵:Benefit」を言語化します。
考え方としては、
「Target:どんな状況の人」が「Advantage:利点」に触れるとどんな「恩恵:Benefit」
があるか?を組み立てていくことになります。
たとえば先ほど仮説立てた ↓ のようなお客さま(=Target)が、
- 大きな会社に就職が決まった
- 長く履ける靴を探している
- お父さま(ご家族)は靴を大事に履いている
↓ の利点(=Advantage)でどのような未来になれる(恩恵:Benefitがある)か?
- ヨーロッパ産の高級カーフ使用 ⇒使うほど柔らかくなる、ツヤが出てくる
- グッドイヤーウェルト製法 ⇒丈夫&修理しやすい
- 日本人の足に最適化された木型 ⇒どんな足にもフィットしやすい
- 値段は3万円 ⇒本格紳士靴としては安く買える
- ストレートチップ ⇒定番デザインでどんな場面でも使える
ですね。
実際にイメージいただきたいのですが、Target(=どんな状況の人か?)について解像度高く考えられていると、伝えるべき言葉・伝えなくても良い言葉が自然に浮かんでくるのではないでしょうか。
最後に、ここまでご紹介した手順をまとめると、
- 商品・サービスが持つ機能・特徴をリスト化する
- その機能・特徴で、何ができるか?を言葉にする
- メッセージをどんな状況の人に 届けたいか、を仮説立てる
- “何ができる?”と “どんな状況の人に?” を行き来してメッセージを紡ぐ
と言う流れになります。
実際にあなたの商品・サービスに当てはめて考えてみてください。(ちょっと自社だけでは難しそう・・・と言う方がいらっしゃいましたら、こちらからお気軽にご相談ください。)
まとめ
今回は「メリットとベネフィットの違い、そしてベネフィットを紡ぐ(=表現する)ための法則」についてご紹介しました。
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