【連載】カスタマーファーストを体現する方法とは|Vol.1営業プロセスの全体像
マーケティング・営業のプロセスを組織として底上げしたい!とお考えの営業チーム責任者の方へ
こんな悩みはありませんか?
- 少数のトップセールスだけが売れる!という状況を改善したい
- トップセールスに依存せず、組織として安定した成果を出したい
- 営業マンが“今すべきこと”にフォーカスするための枠組みを考えたい
今回からスタートする「カスタマーファーストを体現する方法とは」連載シリーズ。第一回「営業プロセスの全体像」では、営業プロセス全体にコミットする経営者さま・営業責任者さまの参考になる情報をお伝えしていきます。
また記事の後半では、営業の仕組み化についてお悩みの方に向けてのお役立ち情報をお届けしています。
チームでの達成目標を持つマネージャー・役員の方、はたまた上であげたような悩みをお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。
- マーケティング/営業活動の全体像を理解するフレームワークを知る
- 各プロセスごとの目的・活動例・KPIを理解できる
- 期間限定、オンライン開催「無料壁打ち会」のご紹介
マーケティング・営業プロセスの全体像を考える
まず最初に、マーケティング・営業プロセスの全体像についておさらいしておきましょう。
そもそも私たちが、”マーケティング” や “営業” を考える時、どうしても「テレアポ」「飛び込み訪問」「ゴルフ接待」「WEB広告」といった個々のメソッド(=手法)に目が向きがちです。
しかし、組織として成果を出すためー。
言い換えるなら「少数のハイパフォーマーに依存しすぎることなく、チームとして安定した成果を出す」ためには、認知獲得〜契約締結にいたるまでの流れを把握し、その流れを仕組み化する(=戦略を策定する)ことが重要な要素となります。
認知獲得〜契約締結までの具体的な例を挙げるなら…
- 展示会でサービスを知り(マーケティング)
- メルマガや無料相談を通して課題を共通認識とし(インサイドセールス)、
- 導入時期や具体的な仕様をすり合わせて(営業)
- サービスを導入。課題解決のサイクルがスタート(カスタマーサクセス)
という流れがわかりやすいでしょうか。
このステップを可視化(見える化)・仕組み化し、分析することで営業効率とお客様満足度を向上させよう!という考え方が「The Model」です。
■【関連記事】顧客第一:カスタマーファーストを実現するCRMシステム導入のすゝめ
The Modelで捉えると何が嬉しい(=どんな価値がある)のか
The Modelとは、 世界シェアトップのクラウド型顧客管理システムベンダー:Salesforce.comが提唱しする営業プロセスの全体像を捉えたフレームワークで、
- 認知獲得
- 案件の発掘
- 商談、契約締結
- 導入サポート
などの役割を、ステップバイステップで考えるのものです。
The Modelフレームワークを活用することによってマーケティング・営業活動のなかで見落としがちなボトルネックを明確にし、改善サイクルを回すことができます。
特に、私たち中小企業にとって最も大きなThe Modelフレームワークの価値とは、見込み客や商談の重みづけの指針になる点でしょう。
具体的にお伝えするなら、営業マン目線では数ある活動に優先順位をつけるガイドラインとなり、営業マネージャー目線では成果を出すために”今やるべきこと”にフォーカスする営業チームの共通認識を掲げることができる、ということです。
■営業効率を最大化する「The Model」(ザ・モデル)の概念と実践 ※外部リンク
営業プロセスの全体像をThe Modelで捉える
ここからは、The Modelフレームワークについて詳しく解説していきましょう。⇒の画像はThe Modelの考え方をまとめたものです。
より実践的なイメージを膨らませて頂くために、それぞれのフェーズごとに
- 各フェーズの目的
- 目的を達成するための活動
- 施策 / 活動 / 手法の例
- KPI
を挙げてお伝えしていきたいと思います。
マーケティング:集客活動を通して認知拡大し、見込み客を獲得
マーケティングについて考えるとき、Apple 信者の私はスティーブ・ジョブズの
いくら素晴らしいものを作っても、伝えなければ、ないのと同じ
という言葉を思い出します。
今あなたが属する組織が、ボランティア団体や非営利団体ならまだしも、資本主義社会におけるビジネスの世界では「理想的な顧客」に自社のサービス・商品を認知してもらわなければ意味がありません。
私自身、工業系の学校を卒業していますので、ものづくりの現場で日々技術を磨く職人さんたちの素晴らしい仕事・匠の技術には心からリスペクトの想いを持っています。
しかし実際に製造業のクライアントさんと会話をすると、その素晴らしさを届ける考え方(=認知してもらうための考え方、いわゆるマーケティング的な考え方)が十分ではないと感じます。
現実問題として、世の中には素晴らしい技術・商品を持っていながら、売上・利益を創出できずに廃業の道を選ばざるを得なかった企業がたくさんいらっしゃるのも、これまた事実です。
そういった方にお伝えしたいのが、「必要であれば、私たちのようなコンサル会社を頼ってみてください。」ということです。自社の商品に誇りをお持ちの企業さまこそ、マーケティングの考え方を知るだけで大きく変わることができる可能性を秘めているのですから。
この記事がそういった会社さんの企画担当の方にひとりでも多く届き、すばらしい技術・商品を絶やさずに済むことを心から願っています。
少し話が逸れてしまいましたが…
The Modelにおけるマーケティングフェーズのゴールとは、見込み顧客情報の獲得です。
そのための営みとして、さまざまな集客活動を通して認知を拡大し、見込み顧客との接点を獲得していくことになります。
具体的な手法としてはTV CMやプレスリリース、展示会の開催、SNSでの情報発信や、自社メディアをはじめとするオンライン上での集客施策が挙げられます。
さらに追跡する指標として、
- 集客数(施策を通して接触いただいた方の数)
- 獲得した見込み客情報の数
- リード化率(獲得した見込み客数 ÷ 集客数)
を追うと良いでしょう。
ひとつ、マーケティングの手法を検討する上で気を付けて頂きたいのが、自社にとっての “理想的なお客様像” があいまいなまま、手当たり次第で思いついたマーケティング施策にリソースを投下してしまうということです。
例えば多くのスタートアップではSNSやリスティング広告など、いわゆる”オンライン施策”に依存しがち(広告費などの投資額、集客数や獲得リード数など全てがデータで追跡できるため改善サイクルを回しやすいのも理由のひとつ)です。
しかし、商品サービスの特性・理想的な顧客像によっては”オフライン施策”の方が適しているケースも多々あり、自社にとっての “理想的なお客様像” をしっかり定義しておく必要があります。
■【徹底解説】自社にとっての”理想的なお客様像”を明確にする7つの手順(執筆中)
潜在的な顧客(リード)の連絡先の情報を指します。見込み客とは、製品やサービスに興味を示す個人や企業であり、営業活動やマーケティング施策の対象となります。
もう少し噛み砕いてお伝えすると、将来的に自社のお客様になりうる方の情報とも言い換えられます。
■【関連記事】カスタマーファーストを体現する方法とは|Vol.2 未来のお客さまと繋がろう(執筆中)
インサイドセールス:見込み客との関係を醸成し、案件/商談を発掘
…あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、インサイドセールスの目的は リードの情報にアプローチして案件を発掘し、営業チームへ引き継ぐこと、となります。
つまりインサイドセールスフェーズのゴールとは商談の獲得です。
そのための活動として、メルマガや共催セミナーを通してお役立ち情報を発信したり、見込み客が抱える”解くべき課題”を合意するための壁打ち会や相談会を開催します。
追跡する指標として、マーケチームが創出したリード数を母数として
- 発生した商談数(営業チームへ引き継いだアポイント)
- 商談化率(発生した商談数 ÷ マーケ創出のリード数)
などがあります。
インサイドセールスは、かつて いわゆるテレアポ部隊が対応していた領域に該当しますが、一部でテレアポ=迷惑行為という認識が広まってしまった現代において、取り組み方に工夫が必要な領域でもあります。
実際にみなさまも経験があると思うのですが、闇雲に架電してアポを取り付けてくるようなアプローチをとる企業とは一緒に仕事したくないですよね?
そういった意味で「どんな状況の見込み客」に、「どんな情報」を提供するのか、がインサイドセールスの腕の見せ所といえます。裏返すなら、アプローチを求めていない見込み客に対しては”今はアプローチしない”が正解のケースもあるわけです。これは金融機関などで有名な”スコアリング”という手法を取ることで実現することができます。
■【関連記事】カスタマーファーストを体現する方法とは|Vol. 3どんな形で力になれるか? (執筆中)
営業:案件/商談のリスク・提供価値を明確化し、契約を締結
次は案件化した商談を受注に導くこと、すなわち契約の獲得・クロージングを目的とする営業フェーズです。
このフェーズでは「営業」と聞いて一般的にイメージされるような、商談管理や見積りの作成といった営業活動はもちろん、お客さまの要求を提案要素に分解して最適なオプションを提示、といった営みが求められます。
追跡する指標としては、インサイドセールスが設定したアポイントを母数に
- 締結した契約 /受注件数
- 案件受注率(受注件数 ÷ アポイント数)
を追うことになります。
…と理論的には成立するのですが、これをそのまま鵜呑みにして導入してしまうのには注意が必要です。
というのも、インサイドセールスがアポイントを取得し、営業担当が初めて訪問〜契約締結までには時間がかかるケースがほとんどです。例えば上場企業向けの高額商品であれば、どんなに短くても社内稟議に数週間、長ければ予算獲得〜担当するエグゼクティブ層を巻き込むのに数年スパン、といった営業活動が必要なケースもあります。
そうなると、多くの場合で営業活動は「間延び」してしまいます。冒頭でお伝えしたような「”今やるべきこと”にフォーカス」できる仕組みづくりとは程遠くなってしまうわけです。
そういった意味でも、自社の商材・見込み客となる企業規模・体制などによって、The Modelを最適化する営みは必要になります。コンサルが活用するフレームワークの多くがそうであるように、The Modelフレームワークも思考を加速させるためのツール、ガイドラインに過ぎません。
■【関連記事】カスタマーファーストを体現する方法とは|Vol. 4
カスタマーサクセス:提供価値を最大化する導入支援・活用サポート
カスタマーサクセス部隊の役割は、提供価値を最大化するための導入支援・活用サポートにあります。いわゆるIT業界でいうところのデリバリー部隊ですね。
ゴールは”自社の商品・サービスをお使い頂き、お客様を成功に導くこと”ですが、SaaS企業ではこれを測る指標として指標としてサービスの継続率を追跡するケースも多いようです。
そのための活動として、サービスの導入コンサルティングや作業代行はもちろん、管理者/利用者向けに研修を開催したり、ユーザーさまのに役立つ活用事例・ノウハウの提供、ユーザー会を開催して同業他社をつなぐ。といった役割が求められます。
追跡する指標には、営業チームが獲得した契約件数を母数に
- 契約の継続件数
- 契約継続率(継続件数 ÷ 当初の契約数)
といった数値があてはまります。
ちなみにnonet 株式会社では、”継続率”のみならず、アップセル・クロスセルの数値も指標として盛り込んでいます。
というのも、真のカスタマーサクセスには 営業活動の中だけでは見えないことも多くあるからです。これは営業段階でどんなに丁寧に対話を重ねても顕在化しにくい課題です。実際に使ってみて初めて見えてくる課題もきっとあるでしょう。
そういった課題をひとつずつ丁寧につぶしこんでいく営みこそ、遠回りには見えてもカスタマーサクセスを実現する王道なのではないでしょうか。
■【関連記事】カスタマーファーストを体現する方法とは|Vol. 5
“営業の仕組み化”には時間とノウハウが必要…
「”顧客第一”を実現するために把握しておきたい、営業プロセスの全体像」についてお伝えしましたが、実際の現場で営業の仕組み化を実現するには、時間とノウハウが必要です。
ノウハウ・リソースが不足するようであれば、外部のコンサルティング会社に相談し、営業の仕組み化で得られる効果(=投資対効果は得られるか?)について分析をしてみることをオススメします。
営業DXのコンサルティングサービスを提供しているnonet 株式会社では、今回ご紹介したThe Modelをベースにマーケティング〜営業プロセスの設計、またマーケティングの自動化や顧客管理システムのご提案までをトータルでご支援しています。
また毎月3社限定で「無料オンライン壁打ち会」を開催しており、壁打ちベースでご相談いただける枠を設けております。コンサルティングを発注されるご予定のない方も、この機会をご活用ください。
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