ITツールを活用したBCP対策で、パンデミックに負けないビジネスをつくろう
今回のテーマは「BCP対策で検討すべきポイント・欠かせないITツール」についてです。
2020年4月現在ー。世界的な感染症対策を見据え、在宅勤務・テレワークなどの制度・システムはもちろん、これまでとは異なる視点からBCP対策を検討すべき段階にきているのは間違いないでしょう。
とはいうものの、現実問題として経営者の方・総務担当の方のお話をお伺いすると
- 新たに検討を始めるけど、何から始める?
- 中小企業では投資が難しいよ。
と言ったお悩みをよくお聞きします。
- BCP対策とは?その大枠をイメージできるようになる。
- スモールビジネスが取り組むべきBCP対策の具体例
BCP対策とは?非常事態でもビジネスを継続するための施策
BCPは「Business Continuity Planning」の頭文字をとった略語で、日本語では「事業継続計画」とも呼ばれています。
シンプルにお伝えすると「災害・パンデミックほか有事などに直面しても、事業を潰さないためのリスクヘッジ」とでも言えるでしょうか。
広い意味では非常事態が発生した際の事業活動の継続・および復旧までの過程を計画することを指し、世界的には2000年代ごろからBCPについて法整備を進めている国も出てきていました。
ちなみに・・・
日本国内で「BCP対策」と言う考え方に注目が集まった背景には2011年の東日本大震災があります。
特に震災直後は「役所の戸籍データが破損・水没するなどして戸籍の情報さえ照会不可になった」」というニュースを覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、これらの予測不可能な事態へのリスクヘッジ=BCP対策、ということですね。
BCP対策を検討する上でフォーカスすべきポイント
いわゆる社会的インフラ(電気・ガス・水道、道路や通信網など)は、政府や各地方自治体の主導により災害対策・災害復旧までのガイドラインが定義されています。
この記事ではスモールビジネス経営者に向けて、必要なBCP対策について解説したいと思います。
ここで挙げるのは あくまでも基本的な項目ですが、「組織・人材」「情報」「関係先企業」という項目で分類することができると思います。
当然ですが、工場の設備稼働が必須である「製造業」と、有形資産なしに価値提供を継続できる「サービス業・専門職」では監視すべきリスクが異なるのはご理解頂けると思います。
これはBCP対策でも同様で、事業の提供体系が違うだけでケアが必要な項目は大きく変わることになります。
BCP対策で検討しておきたい項目の一例
■組織・人材
- 「危機管理責任者」の配置
- 従業員、その家族の「安否確認」
- オフィス・工場など設備 / 商品在庫など「資産の被害状況把握」
- 「働く場所/環境」の提供
■商品・サービスなど事業活動に直結する情報の管理
- 事業活動で取り扱う「データ/書類」
- その他「企業継続に必要な情報」
■関係先企業の情報管理
- 「顧客の連絡先」情報
- 「パートナー/外部ベンダーの連絡先」情報
BCP対策への投資判断が難しい理由?
一方で、対策には投資判断の難しさがある点にも注意が必要です。
ここでは、具体的に「地震」と「パンデミック」を例に考えてみます。
日本に絞ったお話ですが、日本列島が世界的に見ても地震の多い地域であること。そして2011年におきた震災の教訓などから、地震発生時の対策に多くのリソースが投入されています。いわば地震対策においてはとても高いレベルで対策が施されていると考えても良いでしょう。
しかし、パンデミックが発生した場合の対応についてはいかがでしょうかー。
今でこそ(記事の執筆は2020年4月上旬)パンデミック対策の重要性を社会全体が実感していますが、仮に2019年の夏に「パンデミックを見据えたBCP対策への投資」が役員会の議題に挙がっていたとしても、承認される可能性は限りなく”0″に近かったのではないかと思います。(これは日本に限らず、ですが。)
ITソリューションを活用したBCP対策の具体例
ここまでで「BCP対策とは何か」「どのような対策があるか」について、そして「投資判断の難しさ」について考えてきました。
やはりBCP対策“だけ”にフォーカスし過ぎてしまうのは、投資対効果の視点で見ても難しさがあると感じられたのでは無いでしょうか。
このセクションでは、BCP対策のみならず、普段の事業活動でも導入メリットを得られるようなソリューションを優先的にリストアップしました。先にあげた「取組むべき項目」と併せ、対策のためのITツール・サービスについてご紹介したいと思います。
クラウド型グループウェア
BCP対策の視点では「事業活動で取り扱うデータ」の物理的な破損・紛失を予防します。
グループウェアの中でもクラウドで提供されているサービスを活用することで「クライアント・パートナーの連絡先情報」など場所を問わずアクセスが必要な情報を保管することもできるようになりますね。
もちろんグループウェアは有事の時”だけ”利用するものではなく、日々の事業活動においても大きな役割を果たします。
必要な情報をリアルタイムで連携したり、承認プロセスや単純作業の自動化、スケジュールの共有やコミュニケーションなど、仕事の生産性を高める上でも非常に便利なサービスです。
そのため2020年に急速に需要が高まったテレワーク導入を考える上で、ぜひ検討のテーブルに載せて頂きたいサービスの一つだと思います。
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安否確認システム
安否確認システムをBCP対策の視点で考えると、いち早く「危機管理スタッフ」や「業務スタッフ」の状況確認を目指します。
特に緊急事態においては、組織のコアメンバーである「危機管理スタッフ」が陣頭指揮をとり、適正な判断と的確な指示を出せるかどうかが求められることになります。
ご存知のとおり企業を動かしているのはヒトですから、迅速に有事の体制に移行する際には「スタッフ全員とその家族の安否を把握・確認すること」が重要であることはご理解頂けるかと思います。そのためBCP対策を検討する際に、真っ先に導入を決めるお客様も少なくありません。
まとめ
今回はBCP対策について、併せて検討しておきたいITソリューションについて考察してきました。
ここではご紹介しきれませんでしたが、「設備/資産の被害状況把握」(つまり工場や自社保有の不動産など)を行うためにIoTシステムを活用する企業も出てきています。
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