V2MOMフレームワークで「チームの目標設定・意思統一」を実現する

今回のテーマは「目標設定・意思統一のフレームワーク “V2MOM”」についてです。

 

組織で成し遂げたいことがある時、「達成したいゴール」と「実現のための方法・プロセス」の設計ー。つまり”目標設定”こそが成功へ向けた最初のステップです。

しかし、その一方で

  • 経営者・役員のひとりよがりな内容になった
  • シンプルすぎてメンバーに真意が伝わらない
  • 経営層と現場メンバーとの間で意識の隔たりがある。

という悩みをお持ちの若手経営者の方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、目標設定・意思統一のためのフレームワークとして:V2MOMをご紹介します。

記事の前半では「V2MOMの特徴・メリット」について、そして後半では 「目標設定の手順」についても解説していきます。

 

似たような悩みをお持ちの方。V2MOMにフレームワークに興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

  • V2MOMフレームワークの概要を知る
  • ??「どんな特徴があるのか言うてみてよ」
  • V2MOMで計画を立ててみる

V2MOMで チームの目標設定・意思統一を型化できる

V2MOMフレームワークとは CRM/SFA(顧客管理/ 営業支援)ツールで世界一のシェアを誇っているSalesforce.com社(SFDC)が活用する、「チームの目標設定・意思統一」のためのフレームワークです。

SFDCのWEBサイトにあるV2MOMの解説ページでは、次のように説明されています。

成功の基盤となるのは、継続的なコミュニケーションと、完全な意思統一です。

Salesforceでは、その両方を実現するために、私が考案した「V2MOM」という管理手法を長年にわたって活用してきました。V2MOMは、ビジョン(Vision)、価値(Values)、方法(Methods)、障害(Obstacles)、基準(Measures)の頭文字です。

V2MOMで全員の意思統一を図ることが、当社の成功に不可欠な要素だと私は考えています。

– Salesforceの成長を支えるV2MOMとは

 

“シンプル” でも “取組むべきが明確”

Seeds4Biz編集部が考える、V2MOMの一番のメリットとして「“シンプル”でありながら”何をすべきか?”まで噛み砕く」ことができる点があります。

一般的に、経営・役員層が考える”目標”は、抽象度が高すぎるあまり、現場の方の行動レベルまで浸透しきらないケースが後を経ちません。

逆に 現場の価値観に寄せ過ぎた目標を設定してしまうと、会社が成長する可能性を狭めてしまう(=最大化できない)、と言うジンクスがあります。

 

つまり “成長 x 着実な事業活動” を実現するためには、「先を見据えて、ある程度の抽象度をもって設定された目標」と「じゃあ普段の活動でなにすんの?」を上手に橋渡しできるか、どうか。が重要なポイントです。

V2MOMでは「抽象度たかく設定された目標」をVision、「普段の活動でなにすんの?」をMethodsやObstacleという項目で定義しており、「”シンプル”でありながら”何をすべきか?”まで噛み砕いて」伝えることができるフレームワークと言えます。

 

【関連記事】フレームワークを活用するメリット|全体像の把握・現状分析から可視化まで

 

V2MOMでチームの意思を具体化する手順

前半では V2MOMの概要とメリットについてお伝えしてきました。

ここからはV2MOMフレームワークを構成している要素、抑えておくべきポイントを解説します。

架空の革財布ブランド:Xen-note社が掲げたV2MOMを見ながら、ご理解の解像度を上げて頂ければと思います。

それでは早速みていきましょう。

 

Vision:達成したいこと・望む姿を言語化する

まず最初に「Vision:ビジョン/望む姿」を設定します。

ここでは、”達成したいこと” や “実現したい未来” の言語化を目指します。

 

たとえば架空の革財布ブランド: Xen-note社では、高い革製品の加工技術を強みを生かし、『自社製品を通して、革製品の魅力を日本中に証明する』という”ビジョン” を定義しました。

 

Value:望む姿を達成する上で、譲れない価値観は何か。

「Value:価値観」では、Visonを達成する上で”譲れない価値観”について定義します。

Visionの実現を目指す上では、時に判断に迷うような困難に直面することがあります。

そこで事前に “譲れない価値観” を定義しておくことで、いざ困難に直面した際でも「一貫性のある基準」をもとに判断を下すことができます。

 

Xen-note社の “譲れない価値観”は、

  • 世代を超えて利用される製品の提供
  • 私たちは現代に生きている(新たな考えを柔軟に受け入れる)
  • 長期視点で職人の地位を向上させる

というものがあるようです。

 

Methods:具体的にどんな方法・ステップで望む姿を実現するか。

「Methods:手法」では、Vision実現のためのアクションプランを戦術レベルで定義します。

 

Xen-note社は、主たるアクションプランとして

  • インフルエンサーとのコラボレーション
  • ECサイトの拡充
  • 代理店販売ルートの開拓

の三つを設定したようです。

ここでVisionとの整合性を見てみましょう。

三項目のそれぞれが、先に挙げたVisionである「革製品の魅力を日本中に証明」のための「広告・購買・拡販/サポート」の領域強化に繋がっている、とイメージ頂けるのではないでしょうか。

 

Obstacles:望む姿を目指す上で課題となるものは何か。

「Obstacles:障害」では、Visonを実現する上で(すなわちMethodsを実行する上で)ハードルとなりうるものを定義しておきます。

また、併せて障害を乗り越える方法についても記載できれば、より良いものになるかと思います。

 

Xen-note社では、超えるべきハードルを『キャッシュレス化に伴う革財布のニーズ低下』 だと捉えました。

それと同時に「財布と新商品の組合せで、新しいライフスタイルを提案する」ことによって、新たな付加価値を提供する戦略を立てたようです。

 

Measures:成果・進捗を数字で追跡する指標はなにか。

「Measures:基準」では、 Visionの成果・進捗を定量的に測定できる(つまり数値で管理できる)基準を選択します。

 

架空の企業:Xen-note社は、「コラボイベントの開催数」「ECサイトのアクセス数」「代理店契約の締結数」「新製品のテストマーケティングでの満足度」などを定量的な指標として設定しました。

 

まとめ

今回は「チームの目標設定・意思統一」のためのフレームワーク、”V2MOM”についてご紹介しました。

別の記事でもお話していますが、「ビジョン(Vision)」はチームメンバーに共感されないままなら「妄言(Delusion)」に過ぎません。

すなわち、創業者・経営陣の想いは、従業員に伝わり・実行されて初めて価値が生まれるということです。

みなさまの想いを “妄言” で終わらせることなく、V2MOMを活用して「チームの目標設定・意思統一」を実現して頂ければうれしく思います。

 

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