「足で稼げ!」は時代遅れ?フレームワークで”営業を科学”する

営業活動の役割とは「お客様と契約を結び、サービスや商品を提供して売上げを上げること」だと言われます。

前回記事「セールスチームの立ち上げ方?失敗しがちなポイント3選」では、最初期の営業チームが直面しがちなポイントについて、その解決策とあわせてご紹介しました。

 

今回の記事では、そこでご紹介した「ファネル」の考え方についてもう少し掘り下げ、salesforce.com社が活用する”The Model”というフレームワークをご紹介します。

当記事を通して理解を深めていただければ幸いです。

  • ファネルを基に営業活動を設計できるようになる
  • 有名なThe Modelフレームワークを理解する
  • フェーズごとの指標としてKPIを定義できる



営業活動を科学する=ファネルを理解すべし

これからの時代「足で稼げ!」は通用しなくなるのかも知れない

まず、前提として「営業を科学する」という言葉を「時間の流れとともに営業活動の再現性を高めつつ、改善サイクルを回していくこと」として話を進めています。

その前提を基に、我々Seeds4biz編集部では、マーケティングファネル という考え方を重要視しています。

では、具体的に「営業を科学する」ことと「ファネル活用」がどのように繋がっていくのでしょうか?

 

ファネルを活用=マイルストーンごとにフェーズを分ける

マーケティングファネルを活用する考え方のポイントは「フェーズごとにマイルストーンを置き、 そのKPIがそれぞれ次のフェーズの母数となる」という点にあります。

これによってフェーズごとの”弱点”が明確になり、とるべき「打ち手=補強ポイント」の示唆を得ることができます。

明確になった示唆を基に、稼働時間や人材といった営業チームの活動リソース最適化を図ることにもつながっていくのです。

 

ファネルに沿ったフレームワーク”The Model”

そもそもThe Modelとはいわゆるマーケティングファネルを基に考えることのできる、営業活動のプロセスモデル/フレームワークです。

営業支援(SFA)・顧客管理(CRM)システム最大手であるSalesforce.com社(以後SFDC)が活用している枠組みとして知られています。

営業活動を「アプローチ」〜「商談」、「クロージング」や「アップセル・クロスセル」を目的とするフェーズごとに分解して考えることで、組織としての再現性UPの実現を引き寄せます。

 

というのも、営業職自体が 各個人の資質や属人的なスキル(言語化の難易度が高い、いわゆる暗黙知)によって成果が大きく変わるため、「組織の再現性を高めるのが難しい」という側面を持っています。

おそらく短期的には、ひとりのハイパフォーマーがいるだけで目標を達成することは可能でしょう。しかし少し俯瞰して見ると、The Model 的な考え方をベースに再現性を高めることが組織の成長には欠かせないものになるのです。

 

フェーズごとの役割と指標

ここからはThe Modelを参考にしながら「市場となる業界を畑」「お客様の成功を素晴らしい料理」と考えて、それぞれのフェーズの役割・KPIについて考えてみましょう。

マーケティング

マーケティングフェーズの重要なミッションは、自社の商品に興味を持つ母集団(The Modelでは来客数と定義)を形成し、見込み客数を最大化することにあります。

勘の言い方であれば指標として獲得率の向上(獲得見込み客数/アプローチ数)をイメージ頂けるかも知れません。

まさにその通りです。さらに、それに加えて来客数自体の最大化も数値目標として追いかける必要があります。これは、来客数が増えない状態が続くことで獲得数も頭打ちになってしまうためです。

 

例えば 市場規模100人(来客数:100人)程度の市場では100人の見込み客の獲得が最大値となります( 獲得率:100%という高打率を誇ったとしても!)。

しかし、1万人規模の市場(来客数:10,000人)であれば、仮に獲得率:1%でも見込み客100人の獲得という結果が得られることからもご理解頂けるでしょう。

※100(市場規模) × 1(獲得率:100%)=100(人)

10,000(市場規模) × 0.01(獲得率:1%) = 100(人)

 

母集団 x 獲得率 = 見込み客数(KPI)

 

マーケティングフェーズで獲得した見込み客は、次のインサイドセールスフェーズへと引き継がれます。

 

農作物の栽培で例えると、開墾されていない畑を耕し、種を撒く部分がマーケティングの役割となります。

 

インサイドセールス(内勤営業)

インサイドセールスフェーズのミッションは、マーケティング部門が獲得した見込み客へアプローチを行い、案件化することで価値を提供します。

※シンプルにお伝えすると「商談の機会を得て、担当者を営業担当者との商談のテーブルにつかせること」と言い換えることもできます。

 

このフェーズを営業用語でリードナーチャリング:顧客醸成と呼びます。

 

見込み客 x 案件化率 = 案件化数(KPI)

 

インサイドセールスが獲得した案件を、次のセールスフェーズで成約に繋げます。

 

農作物の栽培で例えると、撒かれた種に水を与えつつ、いわゆる間引きを担うプロセスがインサイドセールスの役割となります。

 


セールス

セールスフェーズのミッションは、商談(案件)を受注に繋げ、顧客を獲得することです。

いわば一般的な営業活動で最も重要視されていたフェーズと言えます。まさに契約の獲得を担うことから、クローザーと呼ぶ企業もあるようです。

 

ここで注意すべきなのは「急いで受注することだけに終始すべきではない」という点です。

なぜなら、顧客にとって最良の提案にブラッシュアップすることで付加価値の上乗せを必要とされるフェーズだからです。

 

もう少し細かくお伝えすると、いわばインサイドセールスまでのフェーズでは「風呂敷を広げて顧客に可能性を示」すという活動が主でした。

しかしセールスフェーズでは、より具体的に「顧客が必要とする機能・オプションなどを示すことで顧客にとって最良の選択を促す」という付加価値を提供することが求められているからです。

 

案件数 x 受注率 = 契約数(KPI)

成約し契約に至ったお客様には、カスタマーサクセス部門がさらなる成長のビジョンを提案します。

 

栽培でいうところの、熟し過ぎず青すぎない時期を見て収穫する役割がセールスでしょうか。

 

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスフェーズのミッションは顧客の継続数(リピート購入)を増やし、顧客単価を高めることです。

 

顧客単価を高めるための営業活動の一つとして「アップセル・クロスセルでの関連商材の提案」を行うことになります。

 

カスタマーサクセスは一見すると契約後のご用聞き?のように思われがちですが、実は非常に重要な役割を担っています。

なぜならアップセル・クロスセルの提案を行うためには、前提として十分な顧客理解と関連商材の知識が求められるからです。つまり、単なる御用聞きでは求められている価値を提供できないことになります。

いわば先を見据えた広い視点での提案ができる人材が求められているフェーズ、とも言えるでしょう。

 

契約数 x 更新率 = 継続数(KPI)

 

例えるなら、最良の状態で収穫されたトマトを、よりおいしく味わうための提案に当たります。ピザやパスタ、スープにしたり。おいしい調理法を提案する役割をカスタマーサクセスが担うことになります。

 


まとめ

今回はsalesforce.com社で活用されているフレームワーク、The Modelについてご紹介しました。

 

ひと昔前の営業現場では「営業なら足で稼いでこい!」といったような、いわゆる”体育会系なノリ”で営業活動を行う風潮があり、確かにそれで結果が出ていたのも事実だと思います。

しかし平成が終わり2020年となった今、普通の学生さんでも最先端のモバイルデバイスを活用するのが当たり前の時代になりました。

そんな学生に、就職したとたん体育会系のノリを強要するというのは。。。もしかるすると時代遅れなのかも知れませんね。

 

冒頭にお伝えしたように、一般的には「再現性を高めることが難しい」とされている営業活動ではありますが、The Modelフレームワークと適切なマネジメントを行うことで、営業チームの強化を目指してみてはいかがでしょうか。

そのための基盤として、顧客管理(CRM)や営業支援システム(SFA)が活用されています。