“書類の山”に苦しむ会社こそ、膨大な”デジタル資産”を築くチャンス?
デスクの上に高く積まれた、書類の山。
「あの書類…どこだっけ?」
書類の山から数ヶ月前の契約書を探す…想像するだけでもため息が出そうですね。
ですがこの“書類の山”こそ、会社の資産に変わる可能性を秘めているのをご存知でしょうか?
- もしも…書類の山から必要な書類を探す時間が、たったの数秒で完了できるとしたら?
- もしも…50ページにもおよぶ書類の内容を、たったの数秒で要約解説してくれる人がいたら?
…そんなの実現不可能な話だ、と感じられるでしょうか?
この記事では、そんなストーリーを生成AI活用のための3ステップとして解説してきます。
最近では毎日のように耳にする生成AI、そしてLLMベンダー最大手の一角であるGoogle Cloudを組み合せることで、決して不可能な話ではないことに驚かれると思います。
社内DX施策を検討中の方、生成AI活用に興味をお持ちの方は ぜひ参考にしてみてください。
- “書類の山”を”会社の資産”に変える、おおまかな流れがわかる
- 自社データ連携(RAG)を前提とした、生成AI活用環境をイメージできる
Step.1:紙中心の文化から”デジタル中心”に移行するために
とはいえ…いくら書類の山を電子化したとしても、FAX受信や郵送での請求書を処理するような業務を続けていては(日々の業務で書類の山が生まれる業務設計のままでは)、 継続してデジタル資産を産み出す効果は見込めません….
これを読んで頂いている方の中にも「まずはFAXを辞めないことには…」という段階の方もいらっしゃるかも知れません。
そう言った方は、まずはFAX廃止の方法について、数年前に公開した「FAXの廃止を本気で検討するための4ステップ」という記事をチェックして頂ければと思います。当時は河野大臣の「FAX廃止宣言」もあって、かなりご好評をいただいた内容でした。
もしご支援を希望される方は、無料のオンライン壁打ち会(相談会)のご利用をご検討ください。弊社では業務プロセスの棚卸しからご支援を提供しています。
■【関連記事】FAX廃止の段階的な進め方|代替手段や現場の混乱を抑えて進める方法
■【関連記事】業務フローで仕事を可視化すべき理由?見えてくるメリットとは
Step.2:”紙帳票のデジタル化”から始まるデジタル資産
紙帳票をデジタルデータに変換するためには、スキャナーを用いてPDFファイルとして保存するステップが必要になります。
また、実際に紙帳票の電子化を進める上で
- 適切な解像度を設定すること
- カテゴリー別の書類整理
といった点に注意しておく必要があります。
これはいずれも電子化した後の「検索性」に影響を及ぼす部分になりますので、事前にガイドラインのようなものを作成しておくことを強くオススメします。
具体的には、スキャンしたデータの解像度が低すぎると文字がボヤけてしまうためです。
解像度が低すぎると、OCR機能(光学文字認識)が正常に動作せずに、電子化しても文字情報が検索にヒットせず、必要な情報を見つけられません。
また、カテゴリー別に書類を分けずに片っ端から電子化作業を進めてしまうと、そもそもファイルの保存場所がわからなくなってしまうという管理上の問題が発生してしまいます。
OCR機能とは…スキャンした画像から文字を読み取ってデジタルデータとして認識する技術です。一般的には300dpi以上の解像度が推奨されます。適切な解像度でスキャンすることで、文字の読み取り精度が向上し、後の検索やデータ活用がスムーズに進みます。
Step.3:クラウドへの一歩が、データの未来を決める
次に「電子化した情報をどこに保存するか?」ですが、まず信頼性の高いサービスを選定することから始まります。
データの保存先には、各メンバーのPCであったり、外付けHDD、そしてクラウド事業者が提供する環境… などが挙げられます。
ここでのポイントは「単なる電子化ではなく、会社のデジタル資産として管理する」という目的を見失わないようにすることです。
というのも、単なる”電子化”だけが目的になってしまうと、ファイルはパソコンに保存しているからOK!という状況を許容することになり、デジタル化の恩恵を最大限に得ることが出来ません!
しつこいようですが “書類の山” を “会社のデジタル資産” として活用するには、生成AIを始めとする新しい技術との連携がカギを握っています。
弊社ではGoogleなどのクラウド事業者が提供しているGoogle Cloud Platformなどへ保存する構成をご提案しています。これによりGoogleが提供している生成AIサービス(Gemini Proなど)との連携もスムーズです。
※過去には「データセキュリティと資産化」の観点でコラムを書いています。お時間ある方はぜひ。
セキュリティ…データ管理…など”守り”の考えも忘れずに。
とはいえ社内のノウハウだけでは「セキュリティ対策」や「データ管理・整理」などの対応が十分でないと感じられる企業さまもいらっしゃいます。
注意すべきポイントをざっくりまとめると….
- データへのアクセス
- 認証、権限管理
- フォルダ構成
- ファイルの命名規則
- 更新時の運用ルール
…などでしょうか。
このステップを確実に行うことで、生成AIと連携しデータを有効活用する…という次のステップに向けた準備が整います。
Step.4:生成AIとシームレスに繋がるデータ活用術
次に、デジタル化したデータを生成AIと接続(これをグラウンディングと言います)することで、企業の意思決定や業務効率化に直結する、貴重なデジタル資産へと変貌します。
Chat GPT や Geminiといった生成AIは、大量のデータから有用な情報を自動的に抽出し、もっとも確率の高い回答を返す技術です。
ただし、すでにご利用された方ならイメージ頂けるかと思いますが、学習データが不十分な場合は「それっぽい嘘」を出力してしまう問題があります。
ここに “書類の山” が “デジタル資産” へと変貌するポテンシャルがあるんです!
“書類の山” に蓄積されていた情報を学習データとして接続することで、それっぽい嘘でもなく、当たり障りのない一般論でもなく、あなたの会社独自の知見を理解したAIエージェントを作成できます。
Step.5:成功事例やコツを理解して成果を最大化する
ここまでご紹介した4ステップを実践することで、企業は膨大な紙帳票をデジタル資産として活用することができるようになります。
とはいえ、最終的にAIを使いこなすのは私たち人間の役割です。
さらに成果を最大化するためには、他社の成功事例や生成AIへ質問するコツ を理解することが重要になります。
■【関連記事】事例やユースケースを元に、中小企業が生成AIを活用する最適解について考える
■【関連記事】OpenAIがオススメする、ChatGPTを上手に活用する6つのコツ
生成AIの検討に向けてサポートが必要ですか?
いくつかの成功事例をご紹介してきましたが、生成AI導入を成功させるには知見やノウハウが必要なのは間違いありません…すでに生成AI活用を積極推進されている大手企業さえ、
「社内の知見とリソースだけではプロジェクトを進めるのが難しい…」というケースは少なくありません。
そのため、実際にプロジェクトを進める上では弊社のようなパートナー企業の活用をオススメしています(ポジショントークではありますが)
Google Cloudを活用したDXコンサルティングを提供しているnonet 株式会社では、御社の生成AIへの期待値・理解度に合わせて次のようなサービスを提供しています。
- 生成AIに関する基礎知識トレーニング、他社事例のご紹介
- SaaS(月額課金型)の生成AIエージェント提供
- 社内に眠るデータを活用するシステム構築
今回ご紹介した記事の内容は「社内に眠るデータを活用するシステム構築」メニューでご提供しています。
また、毎月3社限定で「無料オンライン壁打ち会」を開催しており、壁打ちベースでご相談いただける枠を設けております。
当記事について相談したい…という方、これから生成AI活用について考え始めたい…という方も、せっかくのこの機会をぜひご活用ください。
Seeds4biz〜”ビジネスのタネ”がみつかるメディア〜では、
小さな会社に役立つ「デジタル化・DX化」「業務改善」「マーケティング」といったテーマを中心に幅広い情報を発信しています。起業準備中・新規事業やりたい系の人も見てね。