FAX廃止の段階的な進め方|代替手段や現場の混乱を抑えて進める方法とは

つい先日(2021年4月23日)の河野大臣の記者会見で、「中央省庁のFAX利用を段階的に廃止し、最終的には全廃を目指す」という方針が明らかにされました。
霞ヶ関でテレワークが進まない大きな要因に「FAXの利用が影響している」という考えがベースにあるようです。
■霞が関でFAX廃止へ 河野大臣「テレワークの阻害要因」 ※外部リンク
おそらく近い将来、「FAX廃止の流れは民間企業にも波及していく」のは間違いないかと思います。
一部の企業では すでに廃止に向けた取り組みが進んでいるようですが、「”霞ヶ関が” 全廃を目指して段階的な廃止を進める」ということの意味は大きなものがあり、この流れはより加速していくことでしょう。
・・・とはいえ、実際に現場に目を向けてみると、とくに中小企業の管理職・経営者の方の中には
- 取引先とのやり取りがあるからFAXは廃止できない!
- 廃止するって言っても、どんな段取りで進めるべき?
といった方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、FAXの廃止を検討されている方に向けて FAXに代わる代替手段・段階的に廃止するための進め方 を提言させて頂きます。
コスト削減を検討中の経営者の方は、参考にしていただけると思います。
- FAXの段階的な廃止に向けて 取り組むべきポイントがわかる
- FAXに代わる「代替手段」とは?実例をもとにご紹介
FAX廃止までの4ステップ

冒頭でご紹介したように、霞ヶ関から始まるFAX廃止の流れは中小企業にも影響があると思います。
とはいえ、中小企業における現実的な問題として「明日からFAX使いません!」という方針がうまくいくとは考えにくいですよね。
間違いなく現場が混乱します。事務の方からも反発を受けることでしょう。
Seeds4Biz編集部では、画像(クリックで拡大)のように”廃止”というゴールを見越して、いくつかのステップを踏むべきだと考えます。
- FAXを使った書類のやり取り いまココ
- メール環境の整備
- インターネットFAXへの移行
- FAX廃止でリモートワーク実現
つまり、会社の働き方を少しづつ「FAX中心のやりとり」から「電子メール中心のやりとり」に変革していくことで、徐々にFAXの依存度を下げていく、という考え方です。
多くの組織でFAXを廃止できていない理由?
とはいえ、もしあなたが本気でFAXを廃止しようとするなら、それに変わる代替手段の準備が必要となります。
なぜなら これまでFAXはあなたの「会社の窓口」という役割を果たしていたからです。
きっとあなたの名刺にも 住所や電話番号の情報とあわせて「FAX番号」が記載されているのではないでしょうか?
シンプルに「FAXを廃止する=FAXを使わない」ではなく、一定期間は代替手段となる方法を並行で運用し、徐々にFAX利用の割合を減らしていくのがベターかと思います。
では、FAX廃止に向けて準備しておくべき、その「代替手段」とは何なのでしょうか?
具体的には2ステップをご紹介していきます。
Step.1:新しい取引からメールへの切替えを
「FAXに代わる代替手段」として、まずは新しい顧客との書類のやりとりをメールに限定することをオススメします。
なぜ「新しい取引」から始めるべきか、についても考えておきましょう。
それは、現場にフォーカスした実務的なところに理由があります。
現実問題、FAXでやりとりしている既存の取引先に「FAXで請求書を送るのをやめてください!」と交渉するのは簡単なことではありません。
逆の立場で考えてみても、急に取引先から「明日から全部メールで請求書を送りますね!」と言われても困ってしまいますよね。
そこで、まずは “新しい取引” から電子メールでの対応に切替えることで、FAXで対応すべき件数が増えるのを防ぎます。
ビジネス用メールアドレスを取得する
また、利用するメールアドレスは無料で取得できるものではなく、独自ドメインを利用できるビジネス用メールの利用をオススメします。
世の中にはさまざまなビジネス用メールサービスがありますが、「ビジネス用のメール」だけでなく、ファイルを共有するための「GoogleDrive」やWEB会議ツール「Google Meet 」といった、必要なツールが全て揃っている、Google Workspace(グーグルワークスペース) が便利です。
■【関連記事】ビジネス用メールアドレスの取得に “Google Workspace” をオススメするワケ
Step.2:FAXを「ネットFAX」に切替える
次に「FAX ⇒ メール」へ段階的に移行する方法を考えていきます。
大きな流れとしては、やはりFAXでやりとりしている「取引先との交渉」は避けては通れません。
スムーズな移行のためにも、できれば数ヶ月以上前の段階で取引先との交渉を終えておきたいですね。
感染症対策のための外出自粛要請もあり、デジタル化の取り組みをお伝えすることで理解を得られるのではないでしょうか。
残ったFAXはメールで送受信しよう
当然ですが、中には交渉が上手くいかず、メールでの対応を固辞される取引先もあるかもしれません。そういった場合は、インターネットFAX の利用をオススメします。
インターネットFAXは、ネット環境さえあれば、パソコンでもスマホでもFAX確認・送受信できるサービスです。
一時的に「電子メール」と「インターネットFAX」を並行運用する形となりますが、固定FAXを利用し続ける場合と比較しても、圧倒的にコストメリットがあります。
固定FAXを利用する上では「送信料」「受信料」「FAX用紙」といったコストが発生しますが、たとえばネットFAXサービスのひとつ:Message+ を使うと、「FAX用紙」のコストを考える必要がなくなり、「受信料:無料」で利用することができます。
■【関連記事】「インターネットFAX」がFAX廃止への第一歩?スマホやパソコンから送受信
■【関連記事】おすすめのインターネットFAXを比較|無料サービスや選び方も
FAX対応から、メール対応を「あたりまえ」に
「働き方を変える」ということは、決して「単純にITシステムだけ変えれば良い」というわけではありません。
実際に仕事をしている方にも “意識” を変えてもらう必要があります。
とはいえ、長らく「あたりまえ」に使っていたFAXが無くなるということで、現場の方が戸惑ってしまうのも無理はないですよね。
やはり “急な意識改革・デジタル改革” には、反発の声がつきものです。
だからこそ、「電子メールの導入」「ネットFAXとの並行運用」といった形で、一歩ずつ段階を踏みながら 「あたりまえ」を新しく変えていくことこそ、「デジタル化を成功させる近道」なのかも知れません。
■【関連記事】Google Workspceでできること Vol.1 Gmail でビジネスメールを始めよう
まとめ
今回は、具体的なロードマップを交えた「FAX廃止の進め方」について考えてみました。
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