【コラム】実録!経理担当者が経営者に「求めたいこと」【リアルな声】

今回の記事は「経理担当者が経営者・起業家に求めたいこと」がテーマです。

 

起業家・若手経営者の方が、おそらく最初に最初を検討されるであろう「経理担当者」。

採用を検討するうえで、単なる”経理業務”のみならず、”会社の雰囲気・文化づくり”と言った部分においても期待される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そこで今回は、愛媛出身のライター/経理である「水城みかん」 さんに、

経理経験者の立場から、経営者に理解してもらいたいこと」をリアルな言葉で語っていただきました。

起業家・若手経営者の方、興味がある方は ぜひ 参考にしてみてください。

  • 経理経験者のリアルな声から、起業家/若手経営者が理解すべきポイントを知る

経営者に求めること①:間接部門の重要性への理解

経理経験者が経営者に求めることのひとつに「間接部門の重要性を理解していること」が上げられます。

これは経理のみに関わらず、バックオフィス経験者の方であれば誰にでも心当たりがあるのではないでしょうか。

売り上げを直接獲得してくる営業部門や、商品・サービスの開発に関わる開発部門や研究部門。こういった部門にばかり人員や予算が割かれ、バックオフィスは手薄。ほぼ何もない。

 

売上高を上げることばかりに目が向いて、会社法や労基法など最低限の法令順守すら行われない。そのような現場を目にしたことのある経験者の方は一人や二人ではないでしょう。

 

経理に特化したケースに話を戻すと、まず証憑が捨てられる・足りない・行方不明。どこまで経費でどこから私費かの線引きが理解されておらず、どんどん私用に使われていく経費。行われない税務申告。月次?そんなものはない。

このような状況でも、経営者が「間接部門の重要性を理解している」場合はまだ救いがあります。「どこが問題か」を伝えることで対策を講じる許可がもらえるからです。

経営者自らに知識が不足していても、経験豊かな人員を雇ったり専門家に依頼したりすることで最悪のケースを回避できます。

 

経営者自身に経理や税務の知識があれば始めから防げた事態ではありますが、それでも間接部門の重要性に理解がなく対策を講じる許可すらもらえない場合に比べれば随分マシです。

「間接部門に人員や予算を割くことは会社を守ることに繋がる」と理解している経営者の元であれば、現状に問題があっても獲得した人員や予算を使いリカバリーを図ることができます。

 

経営者に求めること②:法令順守の意識

「間接部門に人員や予算を割くこと」は会社を守ることに繋がる。

そもそもこの考えを経営者が持つには、まず大前提として「法令順守」(コンプライアンス)の意識が経営者の中になければなりません。

 

「法律を守ることなんてどうでもいい」と考えている経営者であれば、いくら経理が税法や会社法の話を説明しても、改善のために人員や予算を使うことに理解を示さないでしょう。

「法律?なぜ守らなければならない?今問題なく経営できているのに?」といった事態になりかねません。

 

経営者に求めること③:売掛金回収の重要性への理解

商品やサービスを販売するだけでは会社は経営できません。売り上げた代金を回収してやっと、会社はお金を得ることができるのです。

 

経営者の中には「売上」や「利益」ばかりに目が向いて、「売掛金の回収」がおろそかになってしまう方がいらっしゃいます。

売掛とは、商品やサービス提供の対価を後日支払ってもらうシステムのこと。売り上げた時点で売上高は計上されるため、会社としては一見経営が上手くいっているように見えてしまいます。

 

しかし、売掛金を回収しなければ会社にお金は増えません。お金が増えなければ、商品やサービスの仕入代金、従業員への給与の支払いがいずれ滞ってしまいます。こうなってしまってはもう会社を続けていくことはできなくなります。

そうなる前に、売掛金の回収が必要です。商品やサービスは売上がたったら終了なのではなく、お金を回収してやっと取引が終了します。回収のできない売上ならいっそ売り上げない方がマシです。

 

経営者に求めること④:決算書を読める基礎知識

経営者の方は、ざっとでかまわないので決算書が読める基礎知識を身に付けましょう。決算書が読めるといろいろとわかってくることがあります。

  • 今月は売上が低いけれど毎年低い月だから季節要因だ
  • 消耗品費が異常に高い。ここを削減できれば利益がもっと出るはず

など、決算書が読めれば経営に役立つ情報を得られます。

また、もし自分自身で細かい分析を行うことが苦手でも、専門家から説明を受ければ理解できるだけの基礎知識さえあれば、専門家の意見を参考に経営改善を行うことが可能です。

 

【関連記事】決算書は会社の家計簿!その概要と経営者が理解すべき3つの理由

 

逆に基礎知識がない経営者には、経理が何か異常を見つけてもその状況を迅速に理解してもらうことが難しくなってしまいます。また、もし経理による不正や内部関係者による使い込みなどが行われていたとしても、経営者が決算書すら読めないのであれば数値から異常を検知することはできないでしょう。

 

経営に生かすため、また不正を防止するためにも経営者には最低限決算書を理解できる程度の経理知識が必要になります。

 

まとめ

今回は4つの「経営者に求めること」をあげました。これは私自身がいくつかの会社と関わる中で感じたことです。

  1. 「間接部門の重要性」を理解していること
  2. 「法令順守」の意識があること
  3. 「売掛金回収の重要性」を理解していること
  4. 決算書を読める基礎知識」があること

上記は、あくまで筆者の主観によるものです。

「うちの会社はこうだった」「いやむしろこっちの方が重要」などご意見あるかと思いますが、一経理の見解であることご容赦頂ければ幸いです。

水城 みかん

 

 

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