飲食店の新しいカタチ Vol.1:テイクアウト(持ち帰り)の考え方

前回までの『飲食店応援企画:第一弾』では、個人経営の飲食店でも始められる『セルフオーダー』についてご紹介しました。

今回からはその第二弾ということで、テイクアウト(持ち帰りサービス)がテーマです。

 

個人経営の方でも始められるように順を追って解説して行きたいのですが、少しばかり文章のボリュームが多くなってしまったので、Vol.1〜4の4回に分けて解説します。

Vol.1 にあたる今回は、テイクアウトサービスの概要・入門編として、

  • テイクアウトの”勝算”について
  • デリバリーとのコスト比較
  • 集客方法?許認可?など注意ポイント

といった基本的な内容に絞ってお伝えしたいと思います。

すでに飲食店を経営中で、新しく持ち帰りサービスを検討中の方、これから開業を検討している、という方には参考にして頂けると思います。ぜひ 最後までお付き合いください。

※『応援企画:第一弾』セルフオーダー

  • 今、テイクアウトを始めるメリットを知る
  • デリバリーサービスとのコスト比較
  • テイクアウトでの提供を始める前に注意すべきこと

テイクアウトに “勝算” はあるか

まず、テイクアウトでサービスを提供することのメリット、シンプルにいうところの “勝算” について考えておきましょう。

みなさまもご存知の通り、感染症対策とその拡大防止施策の影響により、外食を主とする飲食業を中心に大打撃を受けています。

しかしこの状況であっても、有名ハンバーガーチェーンなどが過去最高の売上げをあげているのをご存知でしょうか?

その背景には「おうち時間が増えて、テイクアウトやでデリバリーの割合が大きくなった」という事情があるようです。

 

■【参考】コロナ禍で家の昼食「ハンバーガー」激増の理由 ※外部リンク

 

持ち帰りサービスを始めるべき理由

ご紹介した記事中で行われた調査によると、すでに飲食店の68.5%ほどが(持ち帰りサービス)を提供しており、その中でも54.7% ほどの事業者が、新型コロナの影響でサービスを始めたとされています。

特に「ハンバーガー」「ピザ」「丼もの」「持ち帰り弁当」などがコロナ禍(2020年6月〜)においても大きく売上げを伸ばしています。

 

筆者(利用者のひとりでもある)の感覚も似たようなものがあります。

実際に直近の数ヶ月の食事を思い返してみると、外食の頻度が減り、ハンバーガーチェーン・デリバリーピザを利用する頻度が高くなりました。

またこれは私の周りだけかも知れませんが、同僚や友人(自炊しないーず)との会話でも、テイクアウトやデリバリーに対応している美味しいお店の情報を共有したりしています。

 

テイクアウトを提供する上で必要なコスト

さて、実際にテイクアウトサービスを始める上では、料理を提供するための経費以外にも様々なコストが発生します。

少し考えてみるだけでも

  • 広告宣伝コスト
  • 包装にかかるコスト

などが思い付きますね。

 

テイクアウトとデリバリーを比べてみると・・・

ここではテイクアウトとデリバリー(持ち帰りと出前)を比較して考えてみます

たとえば有名な配達サービスである “Uber Eats”を利用すると、その手数料は売上げ額の35%(!)と言われています。

ちなみにこれは国内のサービスである “出前館” でもほぼ同じ料率のようです。

これは見方を変えると「UberEatsのアプリ上に自分のお店情報を掲載できる」という広告効果もあるかと思いますが、UberEats利用者でもある筆者は、やはり少し高い?ように感じてしまいます。

デリバリー提供でもしっかり利益を出すために、35%分の手数料だけでなく、持ち帰り用の包装に掛かるコストなども念頭において「デリバリー用の価格設計」を行う必要があります。

 

すでにSNSやWebサイト、Googleマイビジネスなどの オンライン集客に取組んでいて、さらに「配達」より「テイクアウト」に力を入れたいのであれば、今回ご紹介した「テイクアウトサービス」の実装をオススメします。

 

UberEatsにもテイクアウトの仕組み(ピックアップと言います)はありますが、こちらも12%ほどの手数料が必要になるようです。

 



事前に考えておくべきこと

次に、テイクアウトサービスを始める上で事前に考えておくべきことをおさらいしておきましょう。

ここでは特に、次のふたつ

  • どうやって集客するか
  • 衛生管理について

について考えていきます。さっそくみていきましょう。

 

どうやって集客するか?

たとえば「今日テイクアウトサービスを始めた!」といって、「明日からお客さんが100人来た!」ということはほぼありません。

“サービスを始めた” ことを告知して、集客の努力をする必要があります。

現実問題として「お店の看板を見かけて、美味しそうだったから飛び込みで入店してみたよ!」というケースは外出自粛の影響で少なくなっており、そういった意味でも「どうやって集客するか?」は重要なテーマのひとつでしょう。

 

Seeds4Bizでは 集客の方法として、「お店の入り口にメニューや看板をおいての集客」=オフラインでの集客以上に「SNSやMEO活用」=オンラインでの集客をオススメしています。

 

衛生管理などの許認可について

次に衛生管理などの許認可について。

おそらく、飲食店開業のタイミングですでに営業許可は取得されていると思いますが、テイクアウトやデリバリーを始める際は追加で許認可が必要なケースがあるようです。(XX製造業許可・◯◯販売業許可など…)

やはり保健所との連携なしで始めてしまうのは、万が一の時のリスクがあまりにも大き過ぎると思います。

サービスを始める前に、最寄りの保健所からの許可・認可を得ておくのを忘れずに・・・

 

【参考】地域から近くの保健所を検索|厚生労働省 ※外部リンク

【関連記事】飲食店の新しいカタチ Vol.2:テイクアウトに必要な許可・認可

まとめ

今回は、飲食店の新しいカタチとして「テイクアウト+オンライン集客」について考えてきました。

 

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