【徹底解説】PMBOKとは?|プロジェクト管理で悩まないためのガイドライン
今回のテーマはプロジェクト管理のガイドラインとも言える「PMBOK」についてです。
前回の記事(“プロジェクト管理の目的”とは?失敗しないポイントも解説)では、
- 初めてプロジェクトを任せられた方
- 近い将来 プロジェクトマネージャーにチャレンジされたい方
- 自己流の進め方に限界を感じている方
に向けてプロジェクト管理の「目的やポイント」を解説した内容をお届けしました。
そこで今回は、少し視点を変えてプロジェクト管理の教科書的な考え方にあたる、知識体系:PMBOK“をご紹介します。
記事の前半では「PMBOKはなぜ必要?」「理解すれば何が変わる?」といった概要の部分について、後半では「PMBOKを構成するいくつかの要素」について深掘りしていきたいと思います。
PMBOKの資格取得を検討中の方、プロジェクト管理を体系的に理解したい、と言う方は ぜひ最後までお付き合いください。
- プロジェクト管理の知識体系PMBOKの概要を知る
- PMBOKを構成する要素がわかる
PMBOKがあればプロジェクト管理で悩まなくなる?
PMBOKとは、PMI(Project Management Institute)という組織が発行する「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」(原語:A Guide to the Project Management Body Of Knowledge)の略語からなる言葉です。
2020年現在の最新版にあたるPMBOKガイド第6版では、49個にもわたるプロセス(対応・手順・処理のこと)を5つのプロセスと10の知識エリアで分類することによってプロジェクトマネジメントに必要な対応手順を定義しています。
■【参考】PMI日本支部のウェブサイト ※外部リンク
PMBOKを知る / 活用するメリット
そもそもPMBOKのような知識体系は、なぜ必要なのでしょうか。
その答えのひとつは、そもそもプロジェクトマネジメント自体が「経験知」や「暗黙知」のように個々人の経験・スキルに依存しがちで、その解消を目指した。という点にあると思います。PMBOK登場前は、プロジェクトマネジメントで必要な資質として、いわゆる「勘・経験・度胸」や「経験・気合・根性」といったものが挙げられていました。
読者の方の中でも現場を経験済の方はご存知かと思いますが、言語化が難しく「やってみて初めて必要と理解するプロセス」が意外と多いのがプロジェクトです。当然言語化が難しいので、先輩⇒後輩へのスキル伝承も難しいものですが、PMBOKは「知識体系」という形でPJマネジメントの大枠・考え方の理解を早める役割を果たしています。
そしてもうひとつの理由はプロジェクト推進における共通言語の役割、というところにあると考えています。
というのもプロジェクト自体が異なる業種・業界の人が協力するなかで、大きな結果を求められる場面が多いものです。そんな中でPMBOKが共通言語の役割を果たすことで、認識のズレといった不必要な混乱を抑えることに繋がっているのではないでしょうか。
PMBOKだけで良いPMになれる?
ここまでお伝えすると
「PMBOKさえ理解すれば最強のプロジェクトマネージャーになれる!!」
と考えがちですが、そういうワケではないことには注意が必要です。
PMBOKはあくまでも知識体系・手法(=Tools)だからです。
たとえるなら経営の世界には経営戦略やマーケティングのフレームワークが溢れていますが、これらを理解するだけで一流企業を生み出すノウハウを手にした!とは言えません。
至極当然ですが、顧客理解や業界・金融に関する知識、など多様なスキルが求められますよね。
これはプロジェクト推進におけるPMBOKも同じだと考えています。
もちろん知っているの人と知らない人との間には、大きな差が出てくるとは思いますが、実際にプロジェクトを進める上では 論理的思考・問題解決力・プレゼンテーション・ファシリテーション・柔軟な考え方、などなど。いろいろな能力が求められることになるからです。
PMBOKで定義される”プロセス群”と”知識エリア”
記事の後半となる このセクションからは、PMBOKを構成する要素、5つのプロセスと10の知識エリアについてお伝えします。
5つのプロセス群
PMBOKではプロジェクト開始〜完了までに必要なプロセスを、次の5つのプロセス群で定義しています。
- 立上げプロセス
- 計画プロセス
- 実行プロセス
- 集結プロセス
- 監視・コントロールプロセス
特に着目すべきは「監視・コントロールプロセス」ではないかと思っています。
おそらく これを読んで頂いている経験の少ない方も、プロジェクトの初期フェーズでスコープの定義、予算・スケジュールの見積りが必要であることは、なんとなく予想頂けるのではないでしょうか。
しかし当初設定したはずの予算・スコープ・スケジュールは、様々な事情で大幅な変更が必要になるケースも少なくありません。これを常に最新化、つまり最適化する考え方がこの「監視・コントロールプロセス」に相当します。
つまり、他のプロセス群は進捗とともに「立上げ」⇒「計画」⇒・・・と移り変わるのに対し「監視・コントロールプロセス」は定期的に他プロセス群に働きかけていく必要があるのです。
フェーズ分けという考え方
スコープが広範囲に及ぶような規模が大きいプロジェクトの場合、成果物の納品を区切りとして一連のプロセスをフェーズで分けることもあります。
これは 同時にクライアントへの工程の完了を証明するという意味を持つため、プロジェクト費用をフェーズごとに請求するケースもあります。
10の知識エリア
PMBOKで定義されている10の知識エリアを通して、各フェーズごとにどのような情報・合意をマネジメントすべきか?の理解を深めましょう。
- 統合マネジメント
- スコープマネジメント
- スケジュールマネジメント
- コストマネジメント
- 品質マネジメント
- 資源マネジメント
- コミュニケーションマネジメント
- リスクマネジメント
- 調達マネジメント
- ステークホルダーマネジメント
※青字の項目をクリックすると Seeds4Biz内にある解説記事を参照できます。
まとめ
今回はプロジェクトマネジメントの知識体系PMBOKについて、簡単に解説しました。
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